名前は本当に多様化したのか|データで見る命名の40年

これも占いの話ではなく、データの話です。 「最近の名前は読めない」「キラキラネームが増えた」という印象は広く語られますが、それが本当にいつから、どれだけ進んだのかは、印象だけでは分かりません。 この問いに新生児の名前のデータで答えた研究を紹介します。

約6万件の新生児名を数えた研究

東京理科大学の荻原祐二と一橋大学の伊藤篤希は、2022年に発表した研究で、1979年から2018年に生まれた新生児の名前58,485件を分析しました。 名前は地方自治体の広報誌に掲載されたものを集めています。 この規模と期間のデータを使って、個性的な名前の割合が時代とともにどう動いたかを調べました。

個性化は1980年代から始まっていた

結果は、多くの人が抱く印象を一部だけ裏づけ、一部は修正するものでした。 個性的な名前の割合は確かに増えていましたが、その増加は2000年代に突然始まったのではなく、すでに1980年代から40年にわたって続いていたのです。

この発見は、命名の見方を一つ変えます。 「キラキラネーム」を近年だけの現象として語ると、実際には数十年かけて進んできた長い流れを見落とすことになります。 名前の個性化は、特定の世代の逸脱ではなく、社会の側の長期的な変化として捉えるほうが事実に合います。

このデータの読み方の注意

数字を受け取るときは、何を「個性的」と数えたかに注意がいります。 個性的かどうかは研究上の基準で線引きしたものであり、良し悪しの評価ではありません。 また、広報誌に載った名前という出どころの性質上、その地域や時期のかたよりが残る可能性も、研究を読むうえで意識しておくのが妥当です。

当サイトのデータとの関係

名前の流行は、当サイトのよく見られている名前ランキングにも、訪問者の関心という形で表れます。 どんな名前が読まれているかは、その時々の関心の地図です。 実際に名づけを考えるときは、名付けツールで読みや願いから候補を探せます。

まとめ

出典: 荻原祐二・伊藤篤希(2022)による新生児名の分析(東京理科大学の研究発表)。 本記事は名前にまつわる社会データの研究紹介であり、姓名判断(占い)の話ではありません。占いは娯楽としてお楽しみください。